パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「風が気持ちいい・・・」



朝の出来事は全て遠い昔の事のように感じる。
奈桜にとって、1日の最後を気持ち良く迎えられたら、全てOK。
嫌だった事もこの時点で帳消しにする。
そうやって頑張って来た。
色んな人がいて、色んな思惑に惑わされて、傷付きもするし、心も折れそうになる。
自分の自由にならない事も多い。
悩み始めたらキリがナイ。
傷付き出したらキリがナイ。
だから、ここで生き残る為に強くなった。



いや・・・強くなる為に、毎日、心の訓練をしている。



「今日も楽しい1日だったな」



見上げた濃紺の夜空は疲れたココロをスーっと癒して行く。




「梓・・・」


ふと、梓の名前が口からこぼれた。


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