パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「奈桜さ、編み物の番組に出てるんだよ。『男子も編んじゃお☆ サクサク編み物』。そこで編み物男子たちに、いちから教えてもらってるんだよね。なんか、お茶しながらやってる風でさ。いい感じなんだよ。あれ、結構、好評だったんでしょ?木下さんが喜んでたよ。これであの局とのパイプが出来たって。まぁ、『そこかよ?』ってとこもあるけどさ。好評なのは良かったんじゃない?」



泉がざっと説明してくれたおかげで、奈桜は何も言わずに済んだ。
奈桜にとってはその方が楽で有り難い。



「なんだ。そうだったんだ。だから編み物」



碧は奈桜の横に来て、編みかけのセーターを触った。
それは思ったより柔らかく、とても肌触りが良かった。



「めっちゃ、上手くない?いつからやってんの?」



「放送はもう2回済んだ。撮りだしたのは・・・ツアーが始まった頃かな?」



「ツアーって、8月だろ?今、10月?どんだけ黙ってたんだよ」



心は呆れた表情で椅子に座り、置いてある水のペットボトルを開けた。






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