パパはアイドル♪vol.２ ～奈桜ｸﾝの多忙なｵｼｺﾞﾄ～

「オーラなの？それは褒めてる？」



奈桜に会えた事に心からホッとしたような笑みをこぼす。
好きな人といると、どうしてこんなに安心するのだろう。
手を伸ばせばそこにいるから？
見つめ合えるから？
同じ空間にいるから？
きっと、全部。
側にいるから。



「褒めてるよ。もちろん」



言いながら少し間を開けて、奈桜が隣に座った。
しばらくお互い何も言わず喉だけ潤す。
何か言いたいが、何をどう言えばいいのか奈桜も梓もまだ迷っている。



「今日、仕事は？」



無難な切り出しで梓が奈桜に聞く。



「あぁ・・・、今日は夜からだから。梓は？」



聞いた後で、『やってしまった』と思った。
もう少し何でもない話をしてから、そっちに持って行くべきだったのに。
もう本題へと進路を取ってしまった。