パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「水無瀬さんとは、もう話は済んでるんだな?」



「いえ、プロポーズもまだです。色々ありまして。解決しなきゃいけない事もたくさんありまして。その、まず、オレの方をクリアにしてから彼女に言おうかと」



「ほぉ。プロポーズもまだで、ここまで動いてるのか。ハハハ。さすがだな。断られたら、大ごとだぞ」



どこか楽しんでいるように言う社長を、木下はいぶかしい顔で見る。
木下にすれば、奈桜のする事は問題だらけなのだ。
手順を追っているようで、実のところ、事務所を無視している。
結果的に損害を与えなくても、やり方にはいつも問題がある。
そこのところが、木下としては面白くない。



「彼女は、必ず受けてくれます。オレはもう、すでに、彼女と歩く道を一緒にしているつもりです」



「ハハハ。そうか。分かった。これ以上答えをじらすのも時間の無駄だな。奈桜、スポンサー関係はお前も知っている通り、Zの他のメンバーたちが話をつけてくれた。その他の事は、今、木下や石田が動いている。そして彼女の事務所の方は私が話をつけに行く。お前は下手に動くな。発表はこちらが決める。タイミングを見計って。どこでどうするかは木下に任せろ。いいな?」
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