パパはアイドル♪vol.2 ~奈桜クンの多忙なオシゴト~
「何?何かあった?」



梓はちょっと笑いながら聞く。
奈桜はゆっくりと呼吸を整えた。
こんなに緊張したのはいつぶりだろう。
落ち着こうとしても鼓動が早くなって行く。



「あのさ、オレ、」



心臓の打つ音が全身に響き、電話を持つ手が震えて来る。
奈桜はもう一度、ゆっくり呼吸する。



「オレ、梓と真昼の晴れた空を一緒に見たい。流れる雲や飛んで行く飛行機。夜には綺麗な星空。梓と一緒に見たい。ずっと。オレの隣にいて欲しい」



落ち着いた、優しい声が梓の全身を包んで行く。



「それ・・・って」



聞く梓の声が、涙で震えて行く。
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