ショッキングピンク×リボルバー
「 そんな事いわれても 」
青山さんは、笑いながら呟いて
硝子の灰皿の横に
長い指で、煙草の箱とジッポを置いた
「 " Beautiful days " 」
アズさんがそういうと
「 …ああ、思い出した 」って
青山さんは煙草に火をつけて
ちょっとだけ、下をむく
―― 羽室って
うちの親の時代にスゲー流行って
たった五年で解散した伝説バンド
" VOICE "のヴォーカルだったかも
…何でそれを、
青山さんが思い出せないと なのか
かなり謎だけど
ミュージシャンなんだから
スッと有名ドコは
思い出してよって事かもしれないよね…
「 それより今日は、
これからどうする? 」
青山さんが、トンと灰を
透明の皿に落としながら、前を向いた
「 あ!! そうですよね! 」
『 …水族館行くんじゃないの? 』
彼が少し延びをしながら
私の顔を見た
「 とっ!
特に決まってなかったんだよね?!
アズさん! 」
「 う、うん
皆ちょうどお休みあってたみたいだから
私がトオヤに電話して聞いて… 」
「 …私が、ししょーにメールして… 」
『 …普通、相手 逆だろそれ
俺は嬉しいからいいけど 』
彼が上から目線で、ジッと睨むし
青山さんは煙草を吸いながら
頬杖をついて おかしそうに
くすっと笑う
「 だってえ…!! 」
アズさんと
私の真っ赤な顔と声が、見事ユニゾンした