ショッキングピンク×リボルバー
彼の左手が、頬にあって
親指で、ずっと溜まったままだった涙
拭いてくれた…
前に、からかうみたいに
キスされそうになった時みたいな
コワイ目じゃなくて…
初めて私を
ちゃんと見てくれたときみたいな
『 … ユカ 名前 呼べよ 』
「 …… とおや 」
… あんなに言えなかった『彼』の名前が
こぼれるみたいに、出て来た
彼は、おどろいたみたいに
薄い色の目を見開いて
下を向いて、少し、困ったみたいに笑って
私の目をもう一度見てから
手を、離してしまった
『 … やっぱりまだ ここまで 』