ショッキングピンク×リボルバー
夜が明けて
私とアズさんは、ベランダ
空は、灰色と水色が層になってて
ビルとの間が、ちょっと黄色い
コーッて
車が走るみたいな音が
遠くから静かに、ずっと聞こえてる
「 …アズさん
寒くなったら、中入ろうね 」
「 …うん どうもありがとう 」
私は
彼がなぜか持ってた綿入れを着て
ベランダの鉄柵に、腕をかけて
アズさんはしゃがんで
寝巻の上に、青山さんのコートを着てる
「 …青山さんのだと
アズさんが着ても、コドモみたいだ 」
「 ね 」
アズさんはクスクス笑って
のばしても
指が見えない袖をプラプラさせて
なんだかすごく、嬉しそう
風が あったかい
南風なのかな
それともビル風なのかな
緩く拡がる髪を
アズさんが おさえてる
「 …ねえねえ アズさん 」
「 …ん? 」