ショッキングピンク×リボルバー
デパートのディスプレイにはハート
街中が何だかピンク色に見えるのは
きのせいかな?
私とアズさんが走り込んだのは
新宿駅前が見渡せる
ビルの二階にある喫茶店
四人席で、他の席との壁に
観葉植物が繁ってたりするし
お客さんも
サラリーマンばっかりだったりするから
ここで待ち合わせしようって話になった
「 ユカちゃん、何頼む? 」
「 ん〜…えと…
じゃあ、ホットココア…
アズさんは? 」
「 えっとね…コーラ 」
「 またコーラ?!
あったかいのにしなよアズさん〜
せめてアイスココアにしなって! 」
「 …う、うん 」
アズさんはちょっと、
顔がヘニョッとなって
でも強制的に、
手元のメニューバーのボタンを押して、
二人分のココアを頼んだ
結構すぐに、店員さんがそれを運んで来て
私たち二人の前に置いた
アズさんは帽子を目深に被り
お辞儀をする
「 …何か違う人みたい アズさん 」
「 変装、得意なんだ 」
そう言って、ふにゃっと笑う顔は
いつもの感じなんだけど
碧い瞳を隠すようにグラデーションした
ドロップ型のサングラス
耳まで隠したニット帽に
黒いセーターと革ジャン、ジーンズ
なんか雰囲気が、
ファッション雑誌に載ってる
カッコイイ男の人みたいなんだ
「 …カッコイイ人ってさ
過剰なオシャレしなくても
カッコイイいいんだよね…
アズさんとか見てると、
ホントそう思う 」