ショッキングピンク×リボルバー
「 …リュウジの事
ちゃんと男の人として、
好きな部分あるなら
あまり聞かない方がいいと思う
深い場所に、ズキズキする
細かいキズが、たくさんつくよ」
アズさんは微笑む
「 …っそ!
そりゃ私、青山さんの事好きですけど!
それはししょー。としてって言うか…
…ヘンなヤキモチみたいのは
正直、その…あったですけど…
―― 『彼』を好きなキモチとは…
全然…その 」
少し
図星を突かれてズキンとした
アズさんには言ってないし、知らないけど
…私、最初は、『Azurite』の事
大っキライだった
―― 年、少ししか変わらないのに
芸能界で、君臨してるみたいなトコとか
…彼が
『Azurite』の大ファンだった事とか
なにもかも全部ムカついてて
家にある『Azurite』のDVDとか
彼のバンド"CheaーRuu"のCD
同じ棚の一番離れた端同士に
並べてた事もあったんだ
…青山さんに関しては
困った時に、いつも相談にのってくれたし
アズさんと青山さんが
昔、一緒にバンドを組んでて、恋人同士で
ある事件があって
二人が離れ離れになって、
やっとあのコンテストの日に再会して…
そういう事も、話では聞いていたけど
やっぱり少しどこかで
『私の師匠なのにー』って
…そう、思ってたかもしれない
どうしていいか判らなくて
額に出て来た、ヘンな汗を拭う
「 ―― いっぱい、キスしてくれたよ 」
「 …あ 」
緩めた碧い瞳が溶けるみたいな
優しい、笑い顔