ショッキングピンク×リボルバー
青信号になって、皆渡り始めても
彼が繋いでくれた
握手みたいに、にぎる手は、そのままだ
朝の、
泣いてる私を引っ張ってくれた時には
少し乾いたみたいに、冷たかったんだけど
今は、家から出て来てすぐだからなのか
すごく、あったかい
体が、フワフワして来る…
駅ビルのディスプレイには
St.バレンタインの看板
ワゴンがいくつも出てて
『 大好きな彼にどうぞ〜!
いかがですか〜? 』とか
ハート星人みたいな
ビニールっぽいコスチューム着た人達が
ピンクの袋を、並んでる人に
ニコニコ渡したりしてる
グイッと引っ張られた
『 …お前
とにかく見てる方に、
だんだん体が進んでくよね 』
「 …っ ごめん!! 」
チョ、チョコ売り場の方に、
なんだか進んでた…
『 …買い忘れたとか? 』
ニヤッと笑われる
「 …あ あるし!!! 」
『 …部屋で渡せば良かったのに
荷物だろ 』
「 タ、タイミングが…
それに! …手作りだし!! 」