ショッキングピンク×リボルバー
なんか手足が
『く』とか『へ』みたいな形になって
椅子から跳び上がった拍子に
テーブルがガタガタ鳴った
零れそうになった水の入ったグラスを
青山さんが、とっさに抑えてくれる
「 すっ…すみませ…!! 」
「 いや ケガが無ければいいよ 」
『 …相変わらず、落ち着きないね 』
「 っく…!! 」
変わらず優しいししょーと比べて
ほんっとに、アタマ来る
あんたが急に来るせいじゃん!
…って
怒ろうとしたけど
彼が横に座った途端に
体の動きが固まってしまった…
…ウルフカットっていうのかな
少し乱れたみたいにセットされた
黒い前髪の隙間から
薄い、外からの光で灰色に見える
切れ長のキツイ目が
呆れた様に、こっちを見る
フード
ポケットとかベルトが
たくさんついた、白いコート
ブーツ履いてるのに音がしなかったのは
床にジュータンが敷いてあった事と
…話に、夢中になってたせいだなきっと
聞かれてないよね…
ドキドキしながら、席を窓際に寄せる
アズさんの隣には青山さん
私の隣には…彼
青山さんは、
いつものごとく、コーヒーを頼んで
彼はレモンの 紅茶を頼んだ
『 …珍しいカッコ 』
「 へ?! 」
… 今日、実はかなり おしゃれして来た
彼と会う時には、なんでかいつも
制服が多くて
シノは私より背が少し高いけど
ウエストのサイズはあまり変わらないから
『 いつか着ようと思ってて
機会があんまりなかったからあげる 』って
赤にタータンチェックのミニを
今日着て行きなさい!と
夕べ、渡してくれた
上は、薄でハイネックの、黒いセーター
タイツを履いて、そしてブーツ
…ていうか
何で白いコート着て来るんだろう
これじゃまるで、お揃いみたいじゃん…
でも、気がついて くれたんだ…