ショッキングピンク×リボルバー
だけど
私がそんな動揺してる事なんか
ちっともわかんない感じで
彼は
交差点の見えるガラス窓の向こうを見て
テーブルに片ヒジをつきながら
足で軽く、リズムを取ってる
「 何か曲でも浮かんだのか? 」
そんな様子を見て
青山さんが彼に、そう質問した
『 …違う
朝からずっと同じ曲が、
頭の中 ループしてるんだ
夕べ夜中にコンビニ行って
そこから、引っ掛けて来たくさい 』
「 あああ! あるある! 」
私は、話すきっかけが出来て
思わず声をあげてしまった
彼が少し、その歌を小声で歌い出して
青山さん、アズさん
私の順で、声が拡がって行き
メロディだけの曲に、歌詞が着き始めた
『 …思い出した
何年か前、
ドラマとタイアップしてた曲だっけ
これの題名なんだっけ、青山さん 』
「 … ええと 何だったかな 」
何だか青山さんが
ビミョーな顔つきで笑いながら
やっぱりヒジをついて、
窓の外の空を眺めてる
『 …羽室の作った曲なんだから思い出してよ 』