優しく降る恋



「...い、つも雨見てるよね...

何かあるの?」




無視されたら、どうしよう。

今更何も言ってませんアピールなんか出来ないし。...わ、恥ずかしい。


そうなったら、中途半端にやった課題を職員室にたたき付けて一目散に帰ろうと思う。

...ただ、担任にはこってり絞られるだろうけどね。








『...いつも、見てたの?』



ぎぎぎゃぎゃぎゃあ!


彼が喋ったよ、これかなり貴重。

声、綺麗!

低くもないし、高くもないんだけど繊細で、透けるみたいな声色が彼にピッタリだ。





「...あ、う、うん。

不思議だなって思ってた」


『...そっか、』


「.......」











『そんなの、馬鹿馬鹿しくて女々しい理由だよ?』









初めて、見た彼の自虐的に微笑む表情。

―――哀しそうで、苦しそうで...痛々しい。









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