盆栽からの手紙
私は、この職場にて、やはり焦りを感じる。

いつの日にか、
「戦力外通告を受けるのではないか?」
と。

だから、私は、無い物をねだるように思うのだ。
「才能が欲しい」
と。

それでも、もはや私に残された時間は少ない。

もう、そんな無いものに縋って生きるようなことはできない。

だから、やはり私は、今の職に在って、ただ黙々と粛々と、任された職務をこなしていくしかない。

それだけは、隙間主任に近づくことができるかも知れない。
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