春 ~風が吹いたら~
『潤悟くん…。敦也くんのことで、つらい思いをしてるのに、和羽まで潤悟くんを苦しめちゃって…ごめんね。』
『いえ……』
潤悟は、敦也のことがあってすぐに、和羽に連絡をとらなかったことを、後悔していた。
連絡をとっていたら、飛び降りることはなかったんじゃないのか…と。
和羽の両親の前にいるのがつらくて、潤悟は病院の外のベンチに座っていた。
『あ…潤悟くん。ここにいたの…?』
和羽のお母さんが訪ねてきた。
『はい……』