春 ~風が吹いたら~
『違っ…!か…風邪がうつっちゃうから、近づかない方が。潤悟まで風邪引いちゃったら、バイト先であたし困っちゃうし。』
『あ…あぁ!確かにな!』
違う…。
本当は……違う。
本当は、仁のこと思い出したから…。
潤悟…ごめん。
-- 次の日。-----
結局。潤悟は朝まであたしのベッドの脇に座り、あたしの手を握ったまま眠っていた。
あたしは潤悟に上着をかけて、シャワーを浴びた。