春 ~風が吹いたら~
『体調が悪いってきいたけど、昨日からどうした?』
『ちょっと…ダルかっただけ。』
『何か昨日から、変…だぞ?』
『変…じゃないよ。あと……あたし、今日の夜から由美ん家行くから。』
たえられそうにないから、由美に連絡を入れて、潤悟の家を出ることにした。
傷はもうすぐ治る。
治ったら、自分の家に戻ればいい。
『出てく…ってことか?』
『……。』
あたしは何も言わずに、倉庫を出た。