春 ~風が吹いたら~
これから先、店長とどんな駆け引きをしなきゃいけなくなるかもわからない。
そのたびに、嘘をついて抜け出すわけにはいかないから。
-- 西野家。-----
『華恋ちゃん、ホントに出て行っちゃうの…?』
『ごめんなさい。大学の友達のところへ行きます。今まで、ありがとうございました。』
あたしは挨拶をして、潤悟の家を出た。
-- 外。-----
『華恋。華恋は潤兄じゃなく、あの兄ちゃんを選ぶのか?