春 ~風が吹いたら~
『もしもし…』
『どうした?何かあったか?』
仁はすぐに電話に出てくれた。
『潤悟の家を出た…』
『何でまた!俺が部屋にいたのが、バレたとか…?』
『ううん…潤悟とは別れたの…!』
『嘘…?!』
仁は、凄く驚いたような様子。
『ホント!あたしが、慎重な性格なの知らない?』
『……馬鹿だな…。手放しちゃいけないもんもあんだろ?』
『手放さなきゃ……いけないもんも…あるでしょ。』