春 ~風が吹いたら~
-- 夜明け。-----
『朝日…だぁ!こんなに綺麗だったんだ…!』
『あぁ!さっきの…頑張れよ。ただ、命だけは…守れよ!』
『わかった!約束する!』
あたしは、こんな仁のことが好きだった。
こんな風に…元気をくれる仁のことを……心から好きだった。
気持ちを伝えることはなかったし、これからも伝えることは無いと思う。
でも…やっぱり、最低なあたしには、どうしても、仁と潤悟を天秤にかけることは、出来ないみたい……。