春 ~風が吹いたら~
仁と住むことになって、同じ頃に秘書分の給料をもらうようになったあたしは、家賃を払うことを決めた。
いつまで、ここにいられるかはわからないけど、せめていられる間は…。
-- ホワイトデー。-----
あたしは、この日もバイト。
午前中はレジをし、午後は店長の手伝いと品出し。
『疲れた顔してる…大丈夫か?』
『大丈夫、心配しないで…。こんな所に2人きりでいて、あの人たちに見つかったら……』
『堺!』