春 ~風が吹いたら~
半ば強引に病院を抜け出し、近くの洋服屋で服を買って、自由の利かない腕でも大丈夫で、なおかつ隠せる服に着替えた。
-- 仁の家。-----
『ただいまぁ…。』
『おかえり!……ん?何か…消毒薬っぽい匂いがするな。何かあったか?』
やっぱり…そりゃあ、匂うよね……。
『あ…あぁ!する、する…!友達が怪我しちゃったみたいで……消毒してあげたの!今日、疲れちゃったから、部屋に戻って休むねぇ…!』