春 ~風が吹いたら~
『だ、大丈夫か…?!』
ふらつきかけたあたしを、そっと支えた。
『ごめん……隠す…つもりじゃなかった…んだけど…。』
『付き合ってもいない男と一緒に…?!』
『うん……。』
あたしの携帯が鳴っていた。
多分、仁からだと思う…。
『電話鳴ってるよ。』
『血が…足りないかな…?こんなんで…出たら、心配…かけちゃうよ…。』
あたしがソファーに座ると、翔はあたしの携帯を取り、電話に出た。