春 ~風が吹いたら~
幕開け
『田崎くん。どうやら、本当に田崎くんが言った通り、どっちかみたいだ…。つらい時こそ本音を隠すってこともね…。』
翔は仁を呼んで、簀(ス)の子の方を顎で指した。
『これは……』
『おそらく、華恋の血だろうな…。』
華恋が言ったことは、全くの嘘じゃない…それだけは、この2人もわかったみたいだった。
-- 10月。-----
あれから、5ヵ月がたっていた。
-- 今から、
2ヶ月前。---
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