春 ~風が吹いたら~
『良かったぁ!翔は店長もしてて大変だろうけど…本当に良かった。』
『華恋。』
『ん?』
『早く終わらせて、そろそろ、華恋も幸せになれよ?』
潤悟は寂しげな顔で笑った。
『潤悟……。』
なぜか切ない気持ちになった。
-- 夜。-----
あたしはあれから、微妙に流れた嫌な空気を断ち切るようにして、潤悟を買い物へと誘い、それから家に帰ってきて、年越しそばとおせちの準備を始めていた。