春 ~風が吹いたら~
『華恋…田崎んとこ出たんだってな。』
『うん…!』
『何があった…?田崎に聞いても、お前に聞けの一点張りだし。』
『うーん…仁のことも有沙ちゃんのことも、嫌になったから……。』
また嘘をついちゃった…。
本当は、仁のこともあの有沙ちゃんのことでさえ嫌いじゃない。
『喧嘩…?!』
『いや……あたしが一方的に悪いかなぁ…?もうやめない?元々、いつまでもあのままじゃ駄目だったんだしさ。』