明日が欲しい
≪夏≫
太陽が高く昇り,日差しが心なしか肌に刺す様に感じてくる初夏の放課後,我が校の野球部も日増しに練習量が増えてきている。
間近に迫った全国高校野球選手権大会の地区予選が来週から始まるのである。
我が吹奏楽部も応援のための曲を練習する為,放課後はかなり遅くまで練習する事になった。
取り合えず校歌とコンバットマーチ・バンドの誇り・士官候補生・コバルトの空・錨を上げて…とお決まりの曲を何回も何回も合同練習で行ってきた。
しかし,それだけじゃつまらないと言う事で,宇宙戦艦ヤマト・ロッキーのテーマ等の曲も取り入れて,近ずいて来る地区予選に照準をあわせ頑張ってきた。
その為,香織と会う時間が徐々に減っていき,何時も電話だけの日々が続いた。
彼女の高校は,あまり高校野球では強くなく,何時も我が校同様1~2回戦で消えて行くのだ。