明日が欲しい
『それは,解からへん
。でも,あいつはわしの娘やけんしっかりしたもん持ってる。
そやから、後は浩志君が居てくれたら香織も頑張れるんとちゃうか?』
『解かりました。それで何時言うんですか?』
『今度の日曜日、皆で一緒に病院行けへんか?
それで,ある程度してから俺が言うから,浩志君はその時香織の傍に居てくれるだけでええから!』
『解かりました。
それじゃ,今度の日曜日の朝10時くらいにこちらに来ますから。
それじゃ失礼します。』
と言って,彼女の家を後にした。
団地の中庭にあるベンチに座り暫らく私は考え込んでしまった。
≪いったい俺はどうすれば良いんだろ。≫
何度も何度も同じ言葉が頭の中で繰り返されてきた。
しかし,結局何も出来ない無力感だけを何時も味わってきた。
夢の中までうなされ続け,私は自分自身の力の無さを思いっきり知らされた。