明日が欲しい
『お父さん,お母さんも浩志まで!
3人で来るなんて久しぶりやね。
なんかええ事でも有ったん!
うち,最近めちゃ退屈でかなわんのや。
はよ退院したいねん。何時んなったら出られるん。』
と,畳掛ける様に話してくる香織を見ていると、かなり退屈しているのが読み取れる。
しかし,今日はあの話しをしなければ行けない。
おじさんは覚悟を決めてきているのだろうか。
普段のおじさんはとても怖いくらい荘厳な感じでは有るが,今は,崖っぷちに追い詰められた小動物のような顔付きになっていた。
それくらい覚悟が要るのであろう。
『そうやな!香織が大人しゅうしとったらすぐに出られるんとちゃうか?』
≪何を言っているんだろう。
今日告知シナケレバいけないのに,そんな喜ばす事言うて大丈夫だろうか?≫
やっぱり決心がぐらついているみたいだ。
なかなか切り出さないまま3時間が経った。
これから再検査が有るというので,ひとまず私達は食堂に行って時間をやり過ごすことにした。