明日が欲しい
第2章・・・辛い秘密
彼女の症状も安定して、受験をする事が出来た。
僕と同じ高校には行かず,石川商業高校に入った。
僕はと言えば,あきた工業高校に行き機械科で3年間を送る事となった。
彼女の行く石川商は,石川理事長の経営する私立ではかなり有名な厳しい学校である。
大好きな演劇を続けたいと言う彼女を説き伏せて,その代わり、珠算部に入る事となったのだが,僕は心配でしょうがない。
出来るだけ近くにいたいが,学校が遠い上に帰りが遅くなるからである。
彼女は,ただの貧血気味と言う位にしか思っていないけど,実際少しずつ進行しているのである。
元気そうに見えても,無理をすれば寿命を一気にちじめてしまうのは目に見えているのである。
しかしそれを知らせるわけにも行かず,仕方なく承諾してしまったのだ。
彼女の妹の郁実ちゃんすら知らないのである。
僕と彼女の両親だけである。