明日が欲しい
12月24日の夕方,私は香りの家に招待されて出掛けた。
何時も気ままに出入りしている彼女の家に招待されて行くのは初めての事である。
私は彼女へのプレゼントを手に出掛けた。
そこには,綺麗に飾り付けされたリビングが有り,そして家族が皆で私を迎え入れてくれた。
香織と妹の二人にプレゼントを渡しながらソファーに腰を下ろした。
妹はいきなり包装を開けて中身をチェックしている。
取り合えず、妹用にピンクトルマリンのピアスとイアリングを買ってきたのだが,気に入ってくれるかどうかは不安であった。
しかし妹の反応を見て安心した。
次は香織である。
『開けて良い?』
と聞くので、軽く頷くとゆっくりと包装を外し,そして箱を開けた。
中から出て来たBoxの扉を開けるとホワイトクリスマスのメロディーが流れ、一時してから彼女が
『有難う!』
とニッコリ笑って言ってくれた。
彼女からはベタではあるが手編みのマフラーを貰った。
彼女が毎日1時間だけ許しを得て作ったと聞いて,思わず涙が出そうに成った。
その後,皆で1時間ほど食事をしながら話をして,それから彼女の部屋に行き二人で取り留めの無い話をした。
そして何時の間にか眠ってしまった彼女をベッドに寝かせ,布団を掛けてやり部屋の電気を消して外に出た。
両親にその事を告げ,それではと軽く挨拶をして彼女の家を後にした。