明日が欲しい
気分を変える為に窓を開けた。
未だチョッピリ寒い風と,暖かい風が入り混じった様な夕方,遠く沈む夕日で山が燃えている様な感じである。
彼女の方にカーディガンを掛けてやりながら,そっと肩を抱いた。
とっても痩せていて,今にも折れそうなくらいである。
最近は週に2度ほど輸血を続け,後は薬を服用している。
そのおかげで、発病してから一時危ない時も有ったが,今は安定している。
その時私はそう思っていた。
6月に入り,遅咲きの桜も散ってしまった頃、その時はやって来た。
いつもの様に学校の帰り彼女の家に行き,少しの間でもと顔を見せ,また明日と言って別れた私は,明日は日曜日なので久しぶりに彼女のお父さんに頼んで,近くの公園へ散歩に行く事を許してもらった。
30分だけと言う約束で。