天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「き、貴様は一体?」

アルテミアは、構えた。

「アルテミアよ。お前が魔と人間の子供ならば…。俺は」

ディーンの姿が、変わった。

「魔と天使のハイブリッドだ」

「黒い天使?」

黒髪と褐色の肌を持つ天使が、アルテミアの前にいた。

「いくぞ」

ディーンは、ゆっくりと両手を広げた。




「は!」

その頃、僕は…アテネに翻弄されていた。

パンチや蹴りが、通用しないのだ。

「愚かね…」

アテネは瞼を伏せると、指先を僕に向けた。

すると、指先から光線が放たれた。

「さようなら」

アテネはたった数分の接触で、僕の力では何もできないと分析した。

「することはないよ」

しかし、アテネはすぐに考えを改めることになった。

放った光線は、2人に斬られ…それだけではなく、アテネの肩に傷が走った。

「力がすべてじゃないよ」

「な!」

目を見張るアテネの前に、ライトニングソードを振るった僕の姿が映った。

「私の体に、傷!?」

信じられないアテネの頭上から、光の牙が落ちてきた。



「あれは!?」

凄まじい魔力を感じ、ディーンはアテネの方を見た。

「星の鉄槌!?」

「よそ見をするな!」

アルテミアは口許に笑みを浮かべながら、ディーンに攻撃を加えた。





「い、今のは!?」

雲の上から、地上まで落下したアテネ。ダメージはほとんどなかったが、着ていた衣服が消滅していた。

「まさか…ほとんど、ダメージを受けないとはね」

僕も、アテネの前で着地した。

「だけど…」
(諦めている場合ではない)

ライトニングソードを握り締めると、アテネに向かって飛んだ。

「無駄なことを」

アテネの服が再生すると、剣を指先で掴もうとした。

「無駄なことなどない!」
(前にさえでればな)

僕は空中で、軌道を変えると、剣先をアテネの影に突き刺した。

「え」

驚くアテネの手の甲から、血が噴き出した。

「人は、愚かではない」
(魔物もだろメロ)
(そうよ)

僕の背中から、蜻蛉の羽が生え、そこから火の玉を放った。

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