天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「いらっしゃいませ。どうぜ、カウンターの方へ」
笑顔のマスターに導かれるようへ向かう香坂真琴とは違い、輝は恐る恐る足を進めた。本当は、奥に行きたくなかった。犬神が、輝に告げていたからだ。
奥にいる者が、危険だと。
「初めてのお客様ですね」
カウンターの向こうから、マスターは笑顔を向けながら、カウンターに座った真琴に説明しょうとした。
「当店に、お飲み物は、一つしかございません。但し…」
「あたしは、大月学園情報倶楽部部長!香坂真琴!」
マスターの説明の途中、真琴は自らの名刺をカウンターに置くと、顎を突きだし、下からマスターを軽く睨んだ。
「いかがなさいましたか?」
マスターは説明を止め、初めてのお客の反応に合わそうとした。
「惚けるじゃないよ!この茶店に入っていた!あたしの学園の生徒達が、行方不明になっているんだよ!」
真琴は立ち上がると、下から突き上げるように、マスターを睨んだ。
「ほう〜。それは、知りませんでしたね」
「惚けるなと言っている!」
真琴は、カウンターを両手で叩いた。
その音が、カウンターに響いた瞬間、テーブル席に座っていたお客達が席を立った。
その動きを見て、マスターはカウンターから目配せをして、座るように促した。
それから目線を外して微笑むと、マスターはカップを取りだし、カウンターの上に置き…ゆっくりとコーヒーを注ぎ始めた。
「申し訳ございませんが、そのような事態を把握しておりませんでした。当店をご利用頂いたお客様が、行方不明になられたとは」
マスターは入れ終わったカップを、真琴の前に差し出した。
「だとそれば、早急に警察に電話をしなければいけません」
「そ、そうだ」
非を認めたマスターの言葉が予想外だった為に、真琴は思わず勢いが止まってしまった。
それに、カップの中から漂う…何とも言えない良い匂いが、まくし立てようとした真琴を落ち着かせた。
「警察に連絡する前に…コーヒーを一口」
マスターは優しく微笑みながら、真琴にコーヒーを促した。
笑顔のマスターに導かれるようへ向かう香坂真琴とは違い、輝は恐る恐る足を進めた。本当は、奥に行きたくなかった。犬神が、輝に告げていたからだ。
奥にいる者が、危険だと。
「初めてのお客様ですね」
カウンターの向こうから、マスターは笑顔を向けながら、カウンターに座った真琴に説明しょうとした。
「当店に、お飲み物は、一つしかございません。但し…」
「あたしは、大月学園情報倶楽部部長!香坂真琴!」
マスターの説明の途中、真琴は自らの名刺をカウンターに置くと、顎を突きだし、下からマスターを軽く睨んだ。
「いかがなさいましたか?」
マスターは説明を止め、初めてのお客の反応に合わそうとした。
「惚けるじゃないよ!この茶店に入っていた!あたしの学園の生徒達が、行方不明になっているんだよ!」
真琴は立ち上がると、下から突き上げるように、マスターを睨んだ。
「ほう〜。それは、知りませんでしたね」
「惚けるなと言っている!」
真琴は、カウンターを両手で叩いた。
その音が、カウンターに響いた瞬間、テーブル席に座っていたお客達が席を立った。
その動きを見て、マスターはカウンターから目配せをして、座るように促した。
それから目線を外して微笑むと、マスターはカップを取りだし、カウンターの上に置き…ゆっくりとコーヒーを注ぎ始めた。
「申し訳ございませんが、そのような事態を把握しておりませんでした。当店をご利用頂いたお客様が、行方不明になられたとは」
マスターは入れ終わったカップを、真琴の前に差し出した。
「だとそれば、早急に警察に電話をしなければいけません」
「そ、そうだ」
非を認めたマスターの言葉が予想外だった為に、真琴は思わず勢いが止まってしまった。
それに、カップの中から漂う…何とも言えない良い匂いが、まくし立てようとした真琴を落ち着かせた。
「警察に連絡する前に…コーヒーを一口」
マスターは優しく微笑みながら、真琴にコーヒーを促した。