天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「あっ!はい」
自分の行動が軽率だったことに気付き、姫百合は直立不動になった。
だが、高坂は別のことを考えていた。
(最初の問題は、どうして…彼女に見えて、俺には見えない。何か違いがあるのか?)
高坂は迂闊には、近付けなかった。
「相変わらず、固いな」
悩んでいる高坂の目に、何もない空間から、見えない扉を開けるように、男が飛び出してきた。
「!?」
驚く高坂と違い、姫百合は普通だった。勿論、彼女の目には、普通に店から出てきたとしか見えなかった。
だから、少し気になったのは、出ていた人が、高坂の知り合いのようだったからだ。
「流!」
冷静に判断しょうとしていた高坂は、幾多流の登場により、感情を露にした。
「お、お前は!ブルーワールドに戻ったんじゃないのか!」
「そうさ。戻ったけど、また来ただけさ。ここのコーヒーが飲みたくてね。普通の人間にも美味しいからさ」
「普通の人間!?」
高坂は、眉を寄せた。
「じゃあね〜真!」
幾多は、どこからか…炎でできたナイフを取り出し、それを空間に刺し込んだ。
「できれば〜ブルーワールドで会いたいな。向こうなら、いろんなことができるからさ」
そして、そのナイフをドアノブのようにして引くと、空間が開き、ブルーワールドへの道が開いた。
「な!」
あまりの驚きに、高坂は幾多に近づくタイミングを失ってしまった。
扉はすぐに閉まり、何事もなかったかのように、普通の景色に戻った。
「い、今のは!」
幾多がいなくなった瞬間を見て、呆気にとられた姫百合よりも、高坂は自分の不甲斐なさよりも、ブルーワールドへの帰り方を目にして、希望に心を躍らせた。
(普通の人間でもいける)
高坂は左腕の制服を捲ると、手首に巻き付いたブレスレットに目をやった。
「いけるな」
右手をブレスレットに添えると、形が変わり、装飾銃に変化した。
そして、その銃のグリップを握り締めた瞬間、高坂は目を疑った。
更地に見えた場所に、喫茶店が立っていたからだ。
「なるほど」
高坂は頷いた。
自分の行動が軽率だったことに気付き、姫百合は直立不動になった。
だが、高坂は別のことを考えていた。
(最初の問題は、どうして…彼女に見えて、俺には見えない。何か違いがあるのか?)
高坂は迂闊には、近付けなかった。
「相変わらず、固いな」
悩んでいる高坂の目に、何もない空間から、見えない扉を開けるように、男が飛び出してきた。
「!?」
驚く高坂と違い、姫百合は普通だった。勿論、彼女の目には、普通に店から出てきたとしか見えなかった。
だから、少し気になったのは、出ていた人が、高坂の知り合いのようだったからだ。
「流!」
冷静に判断しょうとしていた高坂は、幾多流の登場により、感情を露にした。
「お、お前は!ブルーワールドに戻ったんじゃないのか!」
「そうさ。戻ったけど、また来ただけさ。ここのコーヒーが飲みたくてね。普通の人間にも美味しいからさ」
「普通の人間!?」
高坂は、眉を寄せた。
「じゃあね〜真!」
幾多は、どこからか…炎でできたナイフを取り出し、それを空間に刺し込んだ。
「できれば〜ブルーワールドで会いたいな。向こうなら、いろんなことができるからさ」
そして、そのナイフをドアノブのようにして引くと、空間が開き、ブルーワールドへの道が開いた。
「な!」
あまりの驚きに、高坂は幾多に近づくタイミングを失ってしまった。
扉はすぐに閉まり、何事もなかったかのように、普通の景色に戻った。
「い、今のは!」
幾多がいなくなった瞬間を見て、呆気にとられた姫百合よりも、高坂は自分の不甲斐なさよりも、ブルーワールドへの帰り方を目にして、希望に心を躍らせた。
(普通の人間でもいける)
高坂は左腕の制服を捲ると、手首に巻き付いたブレスレットに目をやった。
「いけるな」
右手をブレスレットに添えると、形が変わり、装飾銃に変化した。
そして、その銃のグリップを握り締めた瞬間、高坂は目を疑った。
更地に見えた場所に、喫茶店が立っていたからだ。
「なるほど」
高坂は頷いた。