天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「待て!」
サーシャは振り返ると、遠ざかるリンネの背中に向かって叫んだ。
「どうなったんだ!」
「この世界は、救われたのよ」
リンネ達は、最後にそれだけ言うと、その場から消えた。
「救われたのか?」
サーシャが緊張を解くと、頭の中でロバートの声がした。
(舞台が変わった。恐らくブルーワールドに移ったのだろうな)
「!」
眉を寄せるサーシャに、ロバートは言った。
(この世界の首謀者は、死んだか…力を失った。一応は危機が去ったということだ)
「チッ」
サーシャは舌打ちすると、走りだそうとした。
(待て!)
ロバートは止めた。
(俺達が、肉体を持っていられるのは、この世界だけだ。ブルーワールドには戻れない)
「だけど!あたし達は、何もしていない!」
(サーシャ)
「赤星君に、何も返していない!」
サーシャの言葉に、近くにいた九鬼が訊いた。
「みんな…ブルーワールドに戻ったのですか?」
空を見上げ、置いてきぼりにされた子供のように悲しげな目をする九鬼に気付き、サーシャはじっと見つめた。
「この世界の危険が去ったならば、向こうの世界に行きたい。みんなを守る為に!」
ぎゅっと握り締めた拳に、サーシャはフッと笑うと、九鬼に話しかけた。
「君ならできるよ」
サーシャは装備していたドラゴンキラーを、九鬼の足下に投げた。
地面に突き刺さったドラゴンキラーに、九鬼は少し驚いてしまった。
「あたし達は、死人。もうこれ以上進めない。だから、君に託そう。これからの人間の未来を」
サーシャは、九鬼に向かって微笑んだ。
(サーシャ…)
ロバートは、2人の戦いの終焉を感じていた。
禁呪を使い、サーシャの魂を留まらせ、2人で戦い続けた日々もあった。
(悔いはある。しかし…)
ロバートはフッと笑うと、考えるのをやめた。
それとほぼ同時…サーシャの体が崩れ始めた。
後継者を見つけたことで、安堵したのであった。
サーシャは振り返ると、遠ざかるリンネの背中に向かって叫んだ。
「どうなったんだ!」
「この世界は、救われたのよ」
リンネ達は、最後にそれだけ言うと、その場から消えた。
「救われたのか?」
サーシャが緊張を解くと、頭の中でロバートの声がした。
(舞台が変わった。恐らくブルーワールドに移ったのだろうな)
「!」
眉を寄せるサーシャに、ロバートは言った。
(この世界の首謀者は、死んだか…力を失った。一応は危機が去ったということだ)
「チッ」
サーシャは舌打ちすると、走りだそうとした。
(待て!)
ロバートは止めた。
(俺達が、肉体を持っていられるのは、この世界だけだ。ブルーワールドには戻れない)
「だけど!あたし達は、何もしていない!」
(サーシャ)
「赤星君に、何も返していない!」
サーシャの言葉に、近くにいた九鬼が訊いた。
「みんな…ブルーワールドに戻ったのですか?」
空を見上げ、置いてきぼりにされた子供のように悲しげな目をする九鬼に気付き、サーシャはじっと見つめた。
「この世界の危険が去ったならば、向こうの世界に行きたい。みんなを守る為に!」
ぎゅっと握り締めた拳に、サーシャはフッと笑うと、九鬼に話しかけた。
「君ならできるよ」
サーシャは装備していたドラゴンキラーを、九鬼の足下に投げた。
地面に突き刺さったドラゴンキラーに、九鬼は少し驚いてしまった。
「あたし達は、死人。もうこれ以上進めない。だから、君に託そう。これからの人間の未来を」
サーシャは、九鬼に向かって微笑んだ。
(サーシャ…)
ロバートは、2人の戦いの終焉を感じていた。
禁呪を使い、サーシャの魂を留まらせ、2人で戦い続けた日々もあった。
(悔いはある。しかし…)
ロバートはフッと笑うと、考えるのをやめた。
それとほぼ同時…サーシャの体が崩れ始めた。
後継者を見つけたことで、安堵したのであった。