天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「まさか、こんなところで、お会いするなんて思いませんでしたわ。お父様」
微笑む女神を見ても、赤星浩一は微動だにしない。
ただ…ゆっくりと目を細めた。
「お父様は、人間の味方と聞いておりますが…だからと言って、見過ごす訳にはいきません!王の娘として」
白い翼をしまうと、女神の姿が変わった。
筋肉が、明らかに増した。
「いきます!」
甲板を蹴るのではなく、圧縮した空気を蹴ると、女神は音速をこえた速さで、拳を突きだした。
空気の壁を破る音がしたと同時に、女神の拳を、赤星浩一が掴んでいた。
「な!」
その動きを見たアクアメイトが、驚きの声を聞いた。
「く!」
至近距離で、破裂音を聞いた艦長達は耳を押さえた。
「流石、お父様」
女神だけは驚きを顔に出さずに、笑って見せた。
「…」
赤星は何も答えず、片手で掴んでいる女神の拳を握り締めると、そのまま上空へとほうり投げた。
「え!」
まるでロケットのように、空気の壁を突き破りながら、一瞬で雲の上まで来た女神は、翼を広げて、勢いを止めた。
「え!え!あ、あり得ない」
ここで初めて、女神は本音を口にした。
流れた冷や汗が、凍りついた。
「め、女神である…あ、あたしが!まるで、雑魚のように!」
今度は怒りを露にし、女神は両手を下に向けた。
「空!雷!牙!」
そして、星の鉄槌の体勢に入った。
その様子を、甲板から見上げた魔神達は、焦りの声を上げた。
「ば、馬鹿な!この海域を破壊なさるおつもりか!」
「騎士団!退避!」
雲が金色に輝き、雷鳴が空を覆っていく。
魔王ライの技であり、この星のすべての雷鳴を集めた一撃であった。
「な、何だ…この魔力は」
空を見上げていた兵士達が、膝から崩れ落ちた。
技の威力からいって、退避することは不可能だった。
「テレポートできるものは、近くの島へ退避しろ!」
指示を飛ばしながらも、艦長はどこか安心していた。
無表情でそばに立つ…赤星浩一が、そばにいたからであった。
微笑む女神を見ても、赤星浩一は微動だにしない。
ただ…ゆっくりと目を細めた。
「お父様は、人間の味方と聞いておりますが…だからと言って、見過ごす訳にはいきません!王の娘として」
白い翼をしまうと、女神の姿が変わった。
筋肉が、明らかに増した。
「いきます!」
甲板を蹴るのではなく、圧縮した空気を蹴ると、女神は音速をこえた速さで、拳を突きだした。
空気の壁を破る音がしたと同時に、女神の拳を、赤星浩一が掴んでいた。
「な!」
その動きを見たアクアメイトが、驚きの声を聞いた。
「く!」
至近距離で、破裂音を聞いた艦長達は耳を押さえた。
「流石、お父様」
女神だけは驚きを顔に出さずに、笑って見せた。
「…」
赤星は何も答えず、片手で掴んでいる女神の拳を握り締めると、そのまま上空へとほうり投げた。
「え!」
まるでロケットのように、空気の壁を突き破りながら、一瞬で雲の上まで来た女神は、翼を広げて、勢いを止めた。
「え!え!あ、あり得ない」
ここで初めて、女神は本音を口にした。
流れた冷や汗が、凍りついた。
「め、女神である…あ、あたしが!まるで、雑魚のように!」
今度は怒りを露にし、女神は両手を下に向けた。
「空!雷!牙!」
そして、星の鉄槌の体勢に入った。
その様子を、甲板から見上げた魔神達は、焦りの声を上げた。
「ば、馬鹿な!この海域を破壊なさるおつもりか!」
「騎士団!退避!」
雲が金色に輝き、雷鳴が空を覆っていく。
魔王ライの技であり、この星のすべての雷鳴を集めた一撃であった。
「な、何だ…この魔力は」
空を見上げていた兵士達が、膝から崩れ落ちた。
技の威力からいって、退避することは不可能だった。
「テレポートできるものは、近くの島へ退避しろ!」
指示を飛ばしながらも、艦長はどこか安心していた。
無表情でそばに立つ…赤星浩一が、そばにいたからであった。