天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
魔力の充電と、通信ができ、軍から世界の情勢が定期的に送られてくるカードは、何十万と一般兵に配られており、ただ部隊に配属されていない新人のカードが一枚、誰かが持っていてもわからなかった。
もし、気付いたとしても、破壊すればいいと、ドレイクは思っていた。
「赤星将軍により、新しい騎士団長を追い払うことに成功」
将軍とは、新しい階級であった。
ドレイクは、ディスプレイに走る文字を読みながら、顔をしかめた。
赤星浩一とは面識がなかったが、彼もまた…ジャスティンと同じ理由で、防衛軍にいることは明白であった。
「…」
ドレイクはカードを胸ポケットにいれると、海に背を向け、ゆっくりと歩き出した。
(ここから、離れよう。まず向かう場所は)
実世界で、イギリスと呼ばれる場所であった。
なぜ、そこにいくのかといえば、マーティンの生まれ故郷であったからだ。
そして、そこに防衛軍本部の移転が、話にでたことがあったからであった。
その時は、いずれは…だったであるが…。
(人質は、どこにいる?)
手掛かりを求めて、ドレイクは旅立つことにした。
去るものがいれば、来るものがいた。
防衛軍本部内にある第十一兵舍。そこは、特殊部隊の為に作られた場所だった。
「来てくれると思ったよ」
灰色の廊下を歩くヤーンは、隣にいる幾多に笑いかけた。
「…」
幾多は、前を向いて歩きながら、口をまったく動かさなかった。
「ここから始まるのさ。人類の新しい未来がね」
ヤーンは幾多の態度を気にすることなく、嬉しそうに話を続けた。
「紹介しょう!」
ある部屋のドアが見えると、ヤーンは足を速めた。幾多を追い越すと、ゆっくりとドアを開いた。
「防衛軍の新特殊部隊…ブラックリストへようこそ!」
「!」
開いたドアから、部屋の前を見た幾多は驚いた。
まったく、電気のついていない真っ暗な部屋に、人の輪郭だけが浮かび上がっていた。
暗闇よりも、黒い存在として。
もし、気付いたとしても、破壊すればいいと、ドレイクは思っていた。
「赤星将軍により、新しい騎士団長を追い払うことに成功」
将軍とは、新しい階級であった。
ドレイクは、ディスプレイに走る文字を読みながら、顔をしかめた。
赤星浩一とは面識がなかったが、彼もまた…ジャスティンと同じ理由で、防衛軍にいることは明白であった。
「…」
ドレイクはカードを胸ポケットにいれると、海に背を向け、ゆっくりと歩き出した。
(ここから、離れよう。まず向かう場所は)
実世界で、イギリスと呼ばれる場所であった。
なぜ、そこにいくのかといえば、マーティンの生まれ故郷であったからだ。
そして、そこに防衛軍本部の移転が、話にでたことがあったからであった。
その時は、いずれは…だったであるが…。
(人質は、どこにいる?)
手掛かりを求めて、ドレイクは旅立つことにした。
去るものがいれば、来るものがいた。
防衛軍本部内にある第十一兵舍。そこは、特殊部隊の為に作られた場所だった。
「来てくれると思ったよ」
灰色の廊下を歩くヤーンは、隣にいる幾多に笑いかけた。
「…」
幾多は、前を向いて歩きながら、口をまったく動かさなかった。
「ここから始まるのさ。人類の新しい未来がね」
ヤーンは幾多の態度を気にすることなく、嬉しそうに話を続けた。
「紹介しょう!」
ある部屋のドアが見えると、ヤーンは足を速めた。幾多を追い越すと、ゆっくりとドアを開いた。
「防衛軍の新特殊部隊…ブラックリストへようこそ!」
「!」
開いたドアから、部屋の前を見た幾多は驚いた。
まったく、電気のついていない真っ暗な部屋に、人の輪郭だけが浮かび上がっていた。
暗闇よりも、黒い存在として。