天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「くそ!」
最強の女神と自負していたエミナは、赤星浩一にまったく敵わなかった事実に、唇を噛み締め、玉座の間の壁を叩いた。
それだけで、城は揺れた。
「…」
そのそばで控えながら、頭を垂れるアクアメイト達…3人の騎士団長。
その様子を見ていたカイオウは、深々と頭を下げると、玉座の間から出た。
「御免」
もう一度エミナの背中に頭を下げてから、回廊を歩き出した。
すると、すぐそばの壁にもたれているギラとサラを発見した。
カイオウと2人は頷き合ったが、会話をすることはなかった。
2人の前を通り過ぎ、カイオウの背中が見えなくなってから、ギラが口を開いた。
「それにしても…エミナ様には困ったものだ。あの気性は、やはり」
「それよりも、赤星浩一のことだ」
サラはギラの言葉を遮ると、目の前の空間を睨み、
「やつは元々人間。と考えると、今回のやつらの行動を理解できる部分もある。しかし!それでもだ」
唇を噛み締めた。
「フン」
サラの言葉を聞いて、ギラは鼻を鳴らした。
そして、珍しく不機嫌な顔を浮かべ答えた。
「あやつは、甘い。大方…人質でもとられているのだろうよ」
「そうなのか?」
サラは、目を見開いた。
「恐らくな」
ギラはそう言うと、壁から離れた。
「下らんな。そのようなことで、縛られることはあるまいて。あやつが、本気になれば、人間どもなど皆殺しにできるだろう?」
サラの疑問に、ギラは肩をすくめた後、廊下を歩き出した。
「俺は、人間のことなど知らん。ただ強いやつには、興味があるがな」
ゆっくりと歩くギラの背中を見つめながら、サラはあることを思い出していた。
向日葵畑の中で、ライの分身であるバイラが、サラに言った言葉を…。
(悲しい程…人を愛している)
その言葉の奥を、サラは読むことができなかった。
なぜならば、サラは魔神で…魔王であるライは、人間の母親から生まれたからだ。
最強の女神と自負していたエミナは、赤星浩一にまったく敵わなかった事実に、唇を噛み締め、玉座の間の壁を叩いた。
それだけで、城は揺れた。
「…」
そのそばで控えながら、頭を垂れるアクアメイト達…3人の騎士団長。
その様子を見ていたカイオウは、深々と頭を下げると、玉座の間から出た。
「御免」
もう一度エミナの背中に頭を下げてから、回廊を歩き出した。
すると、すぐそばの壁にもたれているギラとサラを発見した。
カイオウと2人は頷き合ったが、会話をすることはなかった。
2人の前を通り過ぎ、カイオウの背中が見えなくなってから、ギラが口を開いた。
「それにしても…エミナ様には困ったものだ。あの気性は、やはり」
「それよりも、赤星浩一のことだ」
サラはギラの言葉を遮ると、目の前の空間を睨み、
「やつは元々人間。と考えると、今回のやつらの行動を理解できる部分もある。しかし!それでもだ」
唇を噛み締めた。
「フン」
サラの言葉を聞いて、ギラは鼻を鳴らした。
そして、珍しく不機嫌な顔を浮かべ答えた。
「あやつは、甘い。大方…人質でもとられているのだろうよ」
「そうなのか?」
サラは、目を見開いた。
「恐らくな」
ギラはそう言うと、壁から離れた。
「下らんな。そのようなことで、縛られることはあるまいて。あやつが、本気になれば、人間どもなど皆殺しにできるだろう?」
サラの疑問に、ギラは肩をすくめた後、廊下を歩き出した。
「俺は、人間のことなど知らん。ただ強いやつには、興味があるがな」
ゆっくりと歩くギラの背中を見つめながら、サラはあることを思い出していた。
向日葵畑の中で、ライの分身であるバイラが、サラに言った言葉を…。
(悲しい程…人を愛している)
その言葉の奥を、サラは読むことができなかった。
なぜならば、サラは魔神で…魔王であるライは、人間の母親から生まれたからだ。