天空のエトランゼ〜レクイエム編〜(後編)
「あ〜あっ!」
高坂は頭をかくと、学生服のポケットに突っ込んでいた乙女ケースを理香子に向けて投げた。
「借りていた力を返す」
「部長!」
乙女ケースを返した高坂の行動に、緑は驚き、声を発した。
「おそらく…この世界じゃあまり使えないはずだ。あんたにとっては、この世界のものはどんなものでも、大切なはずだ。例え…人に危害をくわえるものでもな」
高坂は、部室に戻る為に歩き出した。
「部長!」
慌てて、緑と輝が後を追った。
「…」
そんな三人を、無言で見送る理香子の後ろから、結城里奈達…乙女戦隊月影のメンバーが駆け寄ってきた。
「理香子!」
「丁度よかったわ」
理香子は振り返る前に、笑顔を作った。
「相原…」
隣に立つ中島は、心配そうな顔を向けた。
「里奈…みんな…」
理香子はここで、一呼吸置くと、真剣にこう言った。
「月影の力を返して貰います」
「部長!どうして返したんですか!」
緑の言葉に、輝は頷いた。
「そ、そうですよ!」
「やれやれ」
体育館の裏に回り、理香子の姿が見えなくなってから、高坂はこたえた。
「この世界に来てから、あの力は…敵に操られたことがあった。恐らく…月の女神の親族には通用しない」
「だ、だけど…今さっきの話では、力を失ったと」
輝の言葉を、高坂は一瞥して目で止めた。
「で、ですけど」
月影に変身し、操られた経験を持つ緑は口ごもった。
「何にしてもだ。危険なものに頼ることはできない」
「ですが!」
「くどいな。平和を守る俺達が、敵にまわることは許されない。月影の力なくても、守り抜いて見せる」
「どうかしらね?」
突然、前から声がした為、高坂は足を止めた。
そこには立っていたのは、少しだけ足下が崩れ始めた美奈子だった。
「力は、必要よ」
美奈子は三人を見つめ、
「大事なものを守れなかったら、一生後悔することになる。だから」
自分に銃口を向けながら、自らの力を高坂に差し出した。
高坂は頭をかくと、学生服のポケットに突っ込んでいた乙女ケースを理香子に向けて投げた。
「借りていた力を返す」
「部長!」
乙女ケースを返した高坂の行動に、緑は驚き、声を発した。
「おそらく…この世界じゃあまり使えないはずだ。あんたにとっては、この世界のものはどんなものでも、大切なはずだ。例え…人に危害をくわえるものでもな」
高坂は、部室に戻る為に歩き出した。
「部長!」
慌てて、緑と輝が後を追った。
「…」
そんな三人を、無言で見送る理香子の後ろから、結城里奈達…乙女戦隊月影のメンバーが駆け寄ってきた。
「理香子!」
「丁度よかったわ」
理香子は振り返る前に、笑顔を作った。
「相原…」
隣に立つ中島は、心配そうな顔を向けた。
「里奈…みんな…」
理香子はここで、一呼吸置くと、真剣にこう言った。
「月影の力を返して貰います」
「部長!どうして返したんですか!」
緑の言葉に、輝は頷いた。
「そ、そうですよ!」
「やれやれ」
体育館の裏に回り、理香子の姿が見えなくなってから、高坂はこたえた。
「この世界に来てから、あの力は…敵に操られたことがあった。恐らく…月の女神の親族には通用しない」
「だ、だけど…今さっきの話では、力を失ったと」
輝の言葉を、高坂は一瞥して目で止めた。
「で、ですけど」
月影に変身し、操られた経験を持つ緑は口ごもった。
「何にしてもだ。危険なものに頼ることはできない」
「ですが!」
「くどいな。平和を守る俺達が、敵にまわることは許されない。月影の力なくても、守り抜いて見せる」
「どうかしらね?」
突然、前から声がした為、高坂は足を止めた。
そこには立っていたのは、少しだけ足下が崩れ始めた美奈子だった。
「力は、必要よ」
美奈子は三人を見つめ、
「大事なものを守れなかったら、一生後悔することになる。だから」
自分に銃口を向けながら、自らの力を高坂に差し出した。