あなたと学ぶ本当の恋愛

マンションに一人暮しの鈴依。受験真っ只中でなかなか行けなかったから、久しぶりの訪問になる。
「麗、ご飯作るよ?シチューとかなら明日も食べれるやろ」
「お、サンキュー」

スーパーで手を繋いで買い出しをする。

「手ぇ繋がなきゃダメ?」
「だーめ」

カゴを持つ鈴依と、商品をカゴに入れる私。
まるで新婚みたいでニヤける。

周りの視線も、少し心地よい。





「はぁ〜久しぶり」

鈴依の部屋。前と変わらない、甘いココナッツのお香の匂い。

「うるわ」
「…ん?」

呼ばれて振りかえると、抵抗する時間もなくキスされた。

「いきなりズル…」
「今までお預けやったやん。我慢せぇ…」

数歩後ろのベッドに押し倒されて、鈴依が髪をかき上げる。
これで三回めになる。
でもまだ慣れない。少しココナッツの混じった鈴依の匂いも、その濡れた瞳も、白い首筋、鎖骨、腹筋が見える事も、何より、余裕無さげな表情も…。

「す…ず…くんっ…」

首筋を撫でるように舐められて、鈴依のカッターシャツをギュッと握りしめる。でも力が入らない。無力感に苛まれて、涙が溢れてきた。
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