引っ込み思案な恋心。-2nd

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「えー?倉本がいたぁ?しかもAクラス???……何か、信じらんないんだけど」



「私が一番信じられないよ…」






出身のM小の近くにあるいつもの喫茶店で、私はいつものアイスティーをストローで一口飲んだ。







やっと初めての本格的な塾の授業が終わり、私とあかねちゃんはさっき言ってた通り、帰り道にお茶をするためここに立ち寄ったんだ。






「Aクラスってのは柚みたいな優等生が行くトコでしょ?倉本…それほど頭が良かったなんて、意外過ぎるなぁー」



「私も驚いちゃって…。なんか、私のことを勝手にライバル視してるんだって」



「はははっ!まー、柚もライバルいた方がいーじゃん。倉本に抜かれないようにしないとねっ」



「もー。あかねちゃん、のんきなんだから…」






クーラーが適度に効いていて、外の蒸し暑さに比べたらここが天国みたい。






私がストローでアイスティーに入っている氷をクルクル回していると、急にポケットに入れていた携帯が震えだした。






「メールかな?…あっ、映美佳だ」



「映美佳から?何何ー?」



「うん…、勉強会だけなら行けるかもしれないから、もし勉強会をする予定があったら誘って、だって」



「あー…、塾もあるけど、夏休みの宿題もあったな…。映美佳も忙しいし、効率的に片付けたいんだろーね。柚はどぉ?宿題進んでる?」



「えーーっと…、美術のポスターの宿題と社会の調べ物以外は大体……」



「はやっ!!まだ7月だよ?」





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