引っ込み思案な恋心。-2nd





しばらくして通話を終えたあかねちゃんは、ピンクの携帯をパチンと折りたたんだ後、急にバッグを持って立ち上がった。






「ゴメン、柚。親から買い物頼まれたから、帰るわ。ハンバーグ作るのに玉ねぎ忘れたって…。早く買って帰らないと、夕飯の時間も遅くなっちゃうしねー」



「そっか。じゃあ次の塾の時にね」



「うん。私の分のお金置いとくからまとめて払っといて?」



「分かった。じゃあまたねー」



「うん!またね〜」






あかねちゃんはお金を私の前に置いた後、すごいスピードでお店を後にした。






…まるで嵐みたい。








あかねちゃんに倉本くんのこと言いそびれちゃったけど、また機会があるよね…?






私はしばらくあかねちゃんの飲んでいた空のジュースのグラスを見つめた後、自分のバッグから塾のテキストを取り出して、今日の復習を始めた。













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