引っ込み思案な恋心。-2nd
07☆二人の一歩
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「は〜〜〜、やっと柚に会えたぁ。何かすげー久しぶり」
「久しぶりって!」
8月に入り、私と拓は夏休みに入って初めてのデートをすることになった。
…と言っても、中学校の近くの小さいショッピングセンターなんだけど。
私達はその中のフードコートに入って、中ほどの席に腰かけた。
「あっ、そうそう。昨日やっと買ってもらったんだ。親を説得するの、マジで大変だったし。やっぱ一番に柚と番号交換したいと思って…」
席に着くやいなや、拓がジーパンのポケットから取り出したのは、ホワイトの携帯電話だった。
「あっ!携帯!!良かったね」
「これで柚と連絡取りやすくなるよなー。柚もケータイ出して?何か、赤外線通信で番号とアドレスが一気に交換できるって聞いたんだけど…、説明書読んでねーから分かんねえや」
「…これ、私の携帯の色違い???」
私がバッグから取り出した携帯は、ゴールドがかったピンク。
確か、パンフレットではこの色とホワイトとブラックがあるって書いてあったハズ…。
「ああ。俺この前柚にケータイの機種聞いたじゃん?それメモって『コレ下さい』って店員に言ったから」
「そうだったんだ…。だったら赤外線の方法分かるよ。ちょっと借りてもいいかな?」
「はい。やっぱ柚はスゲーよなー。もうケータイ使いこなしてるし」