引っ込み思案な恋心。-2nd





即座に疑問に思ったことを口にすると、拓は微笑みながら答えてくれた。






「さすが柚だな!部活のヤツらすら気付かねえのに。そーなんだよ。最近成長期らしくて、骨が痛い痛い」



「そんなに伸びてるの…?」



「一日に何センチか伸びてる時もあるんだよな。最後には柚とどれくらいの身長差になるんだろーなぁ」






1年の時はせいぜい身長差が5センチぐらいしかなかった気がしてたけど…





すでに身長差10センチほどありそう。





やっぱり拓も男子なんだな。。。








「部活の人達は毎日会ってるから、拓のちょっとずつの変化に気付かないんだよ、きっと」



「あ〜、なるほど。柚とは夏休みになって初めて会ったもんな〜。久しぶりのヤツほど気付きやすいってコトかぁ」



「夏休み明けたら、クラスのみんなとかビックリするんじゃない?」



「よっしゃ〜、クラスのダチを驚かせてやろ」






イタズラな笑顔を浮かべた拓に、私も笑顔で応えた。






その時、私のバッグ伝いに携帯のバイブを感じた。






「あっ、メール…?誰だろう?」



「危ない!柚っ!!」



「え…?」






携帯を探してバッグの中身をあさっていると、急に拓の大声が聞こえて、それと同時につないでいた手が拓の方へと引っ張られた。






そのまま、急に視界が暗くなった。





< 110 / 270 >

この作品をシェア

pagetop