引っ込み思案な恋心。-2nd
「柚、ちゃんと前見て。電柱あるぞ、ココ」
「拓…?」
いきなり暗くなって、一瞬分からなかったけど…
私の目の前にあるのって……、拓の身体!?
そう思って顔を上に向けると、やっぱり拓の心配そうな顔が目に入った。
「大丈夫か?」
「あ…、うん」
突然、胸の鼓動が大きく速くなった。
拓はただ助けてくれただけかもしれない。
だけど…
あの時…、拓の家で抱きしめられてしまった時と、もしかして状況が似てる…?
だって、すぐに私の身体を離してくれてもいいハズなのに、拓は私の背中に腕を回したまま、じっと動かない。
「……柚」
「な、何…?」
緊張が走って、拓の顔すら見れなくなった。
ただ上から言葉が聞こえてきて、私は緊張と次に何をされるかの恐怖と不安でドキドキしながらそれに答えた。
「しばらく…、このままでいさせて?」
「え…?」