引っ込み思案な恋心。-2nd
「へぇ〜。瀬川とうのっちの掛け合い、見てみたいなー。何か面白そう」
「面白いなんて言わないでよ、映美佳!また瀬川調子に乗るから!!」
「別に俺だってなぁ、わざと宿題忘れてるわけじゃねーし、わざと怒られてるわけでもねーから!」
拓の言葉に一同が「ははは」と笑っていると、いきなり「ピンポーン」というインターホンの音が部屋に響いた。
「ん?誰だ?ちょっと出てくるから、テキトーに休んでて」
そう言って拓が部屋を出て行き、私達女子3人はななっぺの彼氏の話題で盛り上がった。
「でもさー、安森先輩って…、どんな人なのか見当つかないんだけど。柚、知ってる?」
「ううん。ななっぺの話で初めて聞いたかも…」
「映美佳や柚が知らないのも無理ないよ。瀬川みたいに目立つ感じの人じゃないし。どっちかと言うと柚に近いかな。表には進んで出る人じゃないけど、心はあったかい人」
「そっかー。じゃあ今度ちゃんと紹介してよ。写真とかでいいから、顔見せてー」
「あっ、私も見たい!」
「分かった。3年生の引退パーティした時にデジカメでたくさん写真撮ったから、また持ってくるねー」
なんか…、こうやって女子同士で恋の話をするのも楽しいかもしれない。
今までずっと聞かれる側だったから…
こうやってななっぺの話を聞いてると、みんなが私に聞いてくる気持ちも分かる気がする。
友達の付き合ってる人って…、すごく興味が沸いてくる。