引っ込み思案な恋心。-2nd
3人で笑っていると、いきなり部屋のドアが開いて、拓の姿が見えた。
でも…、拓、なんかムスッとしてる???
なにかあったのかな?
…と少し疑問に思っていたら、その後ろから私達の前に現れたのは……
「あれっ!?倉本?どうしたの?来れないんじゃなかったっけ?」
えっ?
なんで倉本くんが、拓の家に来てるの?
私ももちろん浮かんできたその疑問をいち早く声にしたななっぺを見た倉本くんは、ふっと笑った。
「まだ勉強会やってたら混ぜてもらおうと思って」
「でも…、もうお開きにしようって話してたトコだよ?みんな片付けちゃったし…」
さっきみんなでしゃべりながら、勉強道具はきれいに片付けてしまった。
テーブルには、食べかけのスナック菓子と中途半端にジュースが入ったグラスが並ぶだけ。
その状況を見たにもかかわらず、倉本くんは普通に私達の前に腰を下ろした。
「じゃー勉強はまあいいや。俺も宿題はだいたい終わってるし。目的はもう一つあるから」
勉強しに来たわけではない…?
拓はずっとムスッとした表情を変えることなく何も話さないし…
私も倉本くんから次に何を言われるか少し怖くて、言葉を発せずにいた。
そんな私達をぐるりと見やった倉本くんは、余裕すら感じる笑みを浮かべた。