引っ込み思案な恋心。-2nd
「じゃあ次は団体種目の綱引きーー!やりたい人は手を挙げて!!」
男子の学級委員が大きな声を上げると、映美佳はサッと右手を挙げた。
映美佳の動きを見ていた私も反射的に手を挙げてみた…けど。
綱引きの希望者、多すぎじゃん!!
私一人で決めていたら、確実にココでは手を挙げていないと思う。
だって、見た感じ玉砕する可能性が高そうだし。。。
なんで映美佳、こんなところで手を挙げちゃうのー?
「え!?多くて人数数えらんないんだけど!ちょっと今手を挙げた人、前に出てきてジャンケン大会してー」
「定員10人だから!決まったら各自黒板で名前書いて下さい」
ああ…、やっぱり。
ジャンケンになんて勝つ自信、全然ないんだけど。
しかも万が一私が勝てても映美佳が負けたら…、どうするんだろう?
嫌々ながら席を立って前に出て行くと、あまり話したことのない女の子に肩を叩かれた。
「杉田さん、ジャンケンしようよ」
「あ、うん」
「よーし、行くよ。ジャンケン……」
相手が出してきた手の形は、パー。
そして私はチョキ。
「あ〜、負けちゃった。残念。ありがとー」
「うん…」
相手の女の子は苦笑いをしながら自分の席へと去っていった。
なんか、、、勝っちゃったし。
「負けた人はすぐに席に戻ってー。8、9、10……、ちょうど10人だね。じゃあ名前書いてって〜」
あゆの声を聞いて、自分が綱引きの選手に決まったことを知った。
周りを見たら…、映美佳も残ってる!